「Cloud クラウド」 2024年 公式サイト

Cloud クラウド (宝島社文庫) - 黒沢 清, 佐野 晶
地道に工場で働く吉井(菅田将暉)は転売屋1本でやって行くと決め会社も辞める。この仕事を教えてくれた先輩が新しいアプリ開発の仕事に誘っても、人の好意を意にも介さず住所も知らせず恋人(吉川琴音)と引っ越しした彼は、一人助手を雇いあくどい押し買いで大金を稼いでいたが…
前半はスリリングでかなり面白い。いきなり最初からサスペンスなのにどこかホラーチックな展開・・・で、期待していると、後半はネットで集まったラーテル(吉井)狩りの連中とのドンパチが延々続くばかりで面白さは一気に半減。
ラーテル狩りはあくまで『ゲーム』、そういう点ではどんな事情もお構いなしに安く叩いて購入・転売する行為も完璧に『ゲーム』なのだ。
人の良い良々さんが悪々しちゃうし、実は…の助手に助けられ~とご都合主義なラストなのだけど、一見助かったように見えた吉井も、転売の腕を買われて大きな組織の末端で反社的な仕事の末端を負わされるだけの未来が暗示される。
「蛇の道」2024年 公式サイト

蛇の道(2024) - 黒沢清, 黒沢清, 柴咲コウ, ダミアン・ボナール, 西島秀俊, 青木崇高, マチュー・アマルリック, グレゴワール・コラン
パリで精神科医を勤めるサヨコ(柴咲コウ)は患者だったアルベールと共にある男を誘拐し監禁した。アルベールは8歳の娘が惨殺され遺体となって発見された事から、ある財団に関わった者から犯人を聞き出そうとするのだが…
何故か異様なまでに冷徹な女を柴咲コウが見事なフランス語とクールさで演じ切っていて凄い。結構最後の方まで何故そこまで酷い扱いをするのか?(痛いシーンは無いのでご安心を)を説明せず、謎を引きずって最後にえーっ⁉っとなる。それよりも大御所マチュー・アマルリックにザブザブ水掛けるし(笑)
実は黒澤清監督が香川照之主演で撮った同名映画のセルフリメイク作品なのだそう。
1998年版は未見だったので、セルフリメイクしてこれなんだ?とちょっと…息子は絶賛していたけど。
ただ子供の臓器売買の疑いとか謎のマニアの存在とかは、もしかしたらヨーロッパなら有り得るのかも?と思わせる。とはいえ貧困家庭でもないし大きな問題を抱えているとかでもないのに我が子をそんなことに?と、どうにもサスペンスの面白さより気分の悪さが勝ってしまうのだ。
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この記事へのコメント
小米花
ただいま菅田将暉にハマってます。
この映画、菅田くんの猟奇的な人物の表現は良かったのですが、
日本では珍しく素人のドンパチの展開には無理があったように思いました。
「蛇の道」は未見です。
latifa
「Cloud クラウド」だけ見ています(感想は書いていません)
感想、同じー!
前半は面白かったのだけれど、後半が残念だったなあ・・・。
良々さんは普段とは違った役回りで意外性はあったけど・・・
ノルウェーまだ~む
>
菅田将暉はどんな役をやらせても良いですよね~♬とにかく巧い!
今回の『自分勝手だけどその事に自分で全く気付いていない』人物像を、実にうまく演じていましたね。
そうそう、日本でこんなに思いのまま銃を手に入れられるとか無いから~って思っちゃいました。
ノルウェーまだ~む
>なんと!latifaさんもご覧になってたのね?
かなり前半が良い雰囲気だっただけに、後半がねぇ。
この監督さんはサスペンスが苦手なのかも?
良々さんの人物背景が見えてこなくて、意外性だけを追求したっぽいのはイマイチだったよね。
瞳
どっちも観てないんだけど、「蛇の道」は気になってました。アマプラで観れるんですね~!!
柴咲コウさんのフランス語が楽しみ。
あらまぁ~~!!マチューがぁ~~(>_<)
セルフリメイクだったのね。オリジナルの方も気になります。
ノルウェーまだ~む
>
実は「蛇の道」はディズニー+だったのだけど、アマプラでも配信始まってるね♪
マチューがねぇ~~お尻を洗ってもらいます(爆
セルフリメイクのオリジナルも観ようと思っていたのだけど、ちょっと今バタバタしてて時間なくてそのままUPしちゃいましたww
ふじき78
前半がイヤなリアリティー、それを受ける後半がイヤではあるけどリアリティーがない。これくっつけないで別々の話にした方が良かったんじゃない? 前半は人の痛みが分かるようになる人間ドラマ、後半が怒涛のように標的になって狙われるアクションスリラー。
「蛇の道」
オリジナルが好きよ。
ノルウェーまだ~む
>
確かに~
後半のリアリティーのなさはあえてなのかもしれないけど、日本であんなにたやすく拳銃でドンパチって無さ過ぎますよね。
「ゲーム感覚」を強調したかったのでしょうけど、他にもっとやりようがあったような?
「蛇の道」のオリジナルもいつか見てみようかな…