「クロース」(2023年)ベルギー・フランス・オランダ A24
終始胸がぎゅ~~となり涙はもう止まらない。

CLOSE/クロース - ルーカス・ドン, ルーカス・ドン, アンジェロ・タイセンス, エデン・ダンブリン, グスタフ・ドゥ・ワエル, エミリー・ドゥケンヌ, レア・ドリュッケール
幼馴染で兄弟の様に育ったレオとレミ。中学に上がって同級生に「二人はカップル?」と聞かれて、本心を悟られまいと距離を置き泊まりに来てもそっけないレオに、レミはショックを受ける。ある日学校に来なかったレミは命を絶っていて・・・
半分以上はずっと泣いていた。終始胸は苦しく、公開の年にベスト映画に挙げていた人も多かったのも納得。
兄と戯れるのと同じ様にレミと過ごしていただけなら良かったけどレオは本当にレミの事が好きすぎて、それをクラスで指摘され「女子」と揶揄された結果レミと距離を置くようになる。
特別な感情は別としてこの手の事は多くの子供が体験してきたこととも言える。例えば小学校ではあんなに仲良しだったのに…とか、クラスが変わって友達関係が変化して寂しかったり、また子供でなくてもいつしか疎遠になってしまった友達がいたり…
主役の二人が本当にキュート☆そして兄とレオの兄弟も絶妙に似てる~
親友を失った喪失感、またそれが自分が原因だと判っている罪悪感・レミのお母さんが本当は何か知っているのでは?と思う焦燥感を幼いながら独り胸に秘め苦しむレオ。正直に打ち明けなければと思う気持ちと打ち明けられない本心に揺らぐ姿と、レオに拒絶されたと知った時のレミや真実を知ったレミのお母さんの感情を、台詞や説明なしで伝える秀逸さも見事☆
「僕らの世界が交わるまで」 A24(2024年)
ジェシー・アイゼンバーグ監督
これは反抗期の子供がいる、もしくは昔息子が反抗期だったという母親は全員泣く!

僕らの世界が交わるまで - ジェシー・アイゼンバーグ, ジェシー・アイゼンバーグ, ジュリアン・ムーア, フィン・ウルフハード, アリーシャ・ボー, ジェイ・O・サンダース, ビリー・ブリック, エレオノール・ヘンドリックス, ジャック・ジャスティス
シェルターを運営する母エブリンと衝突ばかりの17歳のジギー。頭の中は作曲した歌を演奏しフォロアーを集める事でいっぱいだった。一目ぼれした同級生が政治活動について熱く語るのを見て何とか話題を造ろうとするが何の知識もなかった。一方エブリンもシェルターに入って来た高校生に息子を重ね、良かれと思って親身に接するのだが…
慈善活動に日々邁進して立派なエブリンは、人に厳し過ぎたり自分の価値観を押し付けている事に気が付かない。一方そんな母からのお説教がウザくてたまらないジギーは、同級生からお子ちゃまと言われて初めて母からの忠告が身に沁みる。
母と息子は自分の事ばかりでパパの授賞式を忘れてすっぽかしたりと実は似た者親子というのも、こうして一歩引いて他人だから(映画だから)気が付くわけでww
互いに交わることなく突っ走っていた2つの道路が交差するラストは、親子であっても互いを尊重しあうべきとそっと忠告してくれるのだ。
この記事へのコメント
セレンディピティ
どちらも大好きな作品です。
「クロース」は苦しくなる作品でしたね。
思春期によくあることのような気がするけれど
彼らにとっては今生きている世界がすべてで
レミは、レオの心を失うことが耐え切れなかった...
それにしても、と思わずにはいられませんでした。
拙記事をリンクさせていただきました。
「リアル・ペイン」がよかったので「僕らの世界が交わるまで」も早速見てみました。
うちの息子は反抗期らしきものがないままに成長してしまったのですが
この二人の感覚はよくわかります。似た者親子でしたよね。
お母さんのお気に入りの少年への接し方はちょっとやりすぎだと思ったけれど。^^
それにしてもジェシーの監督としての才能はすばらしいですね。
latifa
クロース、良かったよね、、、
ノルウェーまだ~むさんの感想で、似た様な経験ってあるって処、
そうそう!って思ったわ。
大人になっても、一時期とても仲良かったのに環境変わったりして、ぱったり交流がなくなってしまうってこともあるし、こういう経験ってあるよね・・・。
それと、僕らの世界が~
私も少し前に見て下書きに入れてたからビックリ!早速アップしちゃった。
母と息子、似た者同士だったよね。
似てるから仲良しって親子もいるけどね・・・。
私が母(ジュリアン)だったら、この息子と上手くやっていく自信無いわー。
お父さんねー、影が薄かったよね。でも母親と一緒になって、ガーガー言う父じゃないのは、良かったのかも。
私んところは両親一緒にガーガー言う人達だったからティーンの頃迄はすごい辛かったわー。
親子だけど必ずしも似た考え方するって訳じゃないし・・(自分と子供もそうだけど)
瞳
歯の具合、どうですか?治療の時って神経にも触ることがあるので落ち着くまで痛かったりしますよね。歯の痛みって辛いよね。
お大事にしてくださいね。
どちらも未見ですが、すごく良さそう。
「リアルペイン心の旅」がこちらでは上映してないので、「僕らの世界が交わるまで」を見ようとリストに入れてるところです。
見たらまたお話に来ますね。
実はうちの息子は反抗期という反抗期がなかったの~。なので逆に映画の中の反抗っぷりが楽しみでもあります!(^^)!
ノルウェーまだ~む
>
同感です!「それにしても…」なのよねぇ。ただ幼い頃から二人だけの世界で生きて来たレミにとって、もっと多くの友達を得る広がる未来より、彼が突然突き放した真意を理解出来ずに苦しんだ結果だし、どうしてもその訳を話せなかったレオの心情も判らないでも無いだけに何とも…
「僕らの世界~」ご覧になったのね!?↑のリンクも有難うございます!早速拝見するね~
ノルウェーまだ~む
>
判るわかる~似た者親子なのよね。
latifaさんのご両親はお二人共ガーガーだったのね?(苦笑)そうでなくてもティーンの頃って親はウザいものだから、相当辛かったね☆
私も母がウルサイ人で(今でも)苦労したけど、自分と娘の関係を見ると、あれ?やっぱり私も同じじゃん?と反省すること多いですww
クロースは多くの方がその年のベストに入れてたので、ずっと見たかったの☆ホント良い映画だったわ~
ノルウェーまだ~む
>
ご心配頂きありがとうございます~やっと水でうがいできるようになって、ご飯もちゃんと食べられる幸せを嚙みしめてます(笑)
なななな・なんと!どうして反抗期のない子がそんなに多いのぉ~~!?(笑) うちは反抗期酷過ぎて明け方泣いて飛び起きた事があるくらい(私が)
ま、ともあれ顕著な反抗期が無くても子供は自我を持って親から離れていくものだし、この映画の様に親がある種の固定観念で自分以外の人を評価している場合、そこから逃れようとするのは当然な気がします。たとえ親子であっても互いをリスペクトし合う大切さを教えて貰った気がしました☆
margot2005
多感な時を演じる二人の少年が絶妙で素晴らしかったです。
>真実を知ったレミのお母さん...
息子も、その親友も同じように愛していたお母さんの
苦しさが観ていてとても辛かったです。
「僕らの世界が交わるまで」
昔息子が反抗期だったという母親...
の一人です。
これマイリストに入れています。
ノルウェーまだ~む
>
本当に少年二人が絶妙でしたね~
二人共我が子の様に愛していただけに、レミのお母さんの虚しさは計り知れないものがあったでしょう。思い出しても胸が苦しくなります。
「僕らの~」は反抗期の息子さんをお持ちだったなら是非!ヒリヒリしてウルウルしますよ~ご覧になったらまた感想聞かせてください!
ノラネコ
この時期の子供ゆえに本音を言えない苦しさがよく描かれていました。
ちょっと少女漫画的な世界観も好きなところ。
「僕らの世界」も感情のすれ違いという点では、共通する部分があるかも。
瞳
「僕らの世界が交わるまで」を見たので、再度お邪魔します。
すごく繊細で丁寧な描き方にジェシー、やるなぁーーって思いましたよ~。
私にはジギーの反抗っぷりが全然、可愛いなあって思えて(笑)エブリン母の思い込み暴走っぷりに引きました。
真面目なんですよね、職場での会話の微妙だったこと。
二人が歩み寄る・・ラストの描き方がすごく素敵でいい余韻が残りましたね。
「リアル・ペイン~」も楽しみです。
ノルウェーまだ~む
>
こうした気持ちのすれ違いでおきる人間関係は、大人ですら難しかったりしますからね。
ことに同性愛的な感情は素直に打ち明けられるものでもないし…
「僕らの世界~」のように親子でもおなじですね☆伝える事の難しさ、理解し合える・相手を理解しようとする難しさは世界共通です。
ノルウェーまだ~む
>
うんうん、凄く判るわ~
子供は自分なりに考えて前へ進もうとしていて、それが親にはちょっとハラハラするのだけど、時代も変わるし価値観も変わるのだから、お互いをリスペクトして少し遠くから見守るのが大切なのでしょうね。
そこがエブリン母は自分の定規で決めつけちゃうところがあって、職場の皆も凄く緊張していたもんね。一歩引く、大事なんだな~と多少子育てしてた頃の自分を反省したりもしましたww