なかなか一緒に映画に行ってくれないパパンを誘い出すには、こんな70年代のロードムービーがピッタリ♬
まんまとノッテ来たパパンは鑑賞後も大満足!
「Badlands バッドランズ」 2025年3月7日公開
公開の前にレビューを書きたかったんだけど、仕事で疲れて書けずじまいで今頃になっちゃった…
1950年代のサウスダコタ。ごみ収集作業員のキット(マーティン・シーン)と恋に落ちた15歳のホリー(シシー・スペイセク)だったが、その仕事すら首になった彼との交際をホリーの父親に反対される。キットは父親を撃ち殺し家に火を付け二人は逃避行の旅に出る。当てもなく森のツリーハウスでままごとの様な暮らしをするが、懸賞金目当ての男たちを次々に撃つキットとの終わりの見えない逃避行に疲れたホリーは…
50年代に実際に起きた事件を題材にしている。
強盗こそしないけれど、捕まえに来る人たちを次々撃ち殺すところはまるでボニー&クライドのよう。
60年代のヒッピー文化を予測するような無軌道で後先を考えない若さゆえの暴走は、美しい夕陽で詩情たっぷり刹那的に描いているため、彼らと共に『無限大の自由』を手にしたような錯覚に陥ってしまうのだ。
まさにそこに問題があったのでしょう。当時日本では未公開。
広大で何もない大地は、SNSの時代の今では考えられないけど実際逃げおおせそうな気もしてくるわけで。
行き当たりばったりに犯行に手を染め人を殺める若者の姿は、後先も考えず闇バイトに手を出す今の若者の姿と重なる気もした。
ペンキ職人なのにやたらお洒落なホリーのお父さん(笑)
交際を認めずキットと揉めるシーンで何故か眠くなってしまった私。70年代特有の映像の悠長さも、実はこの映画の魅力でもある。ちなみにホリー役の子はあの映画「キャリー」の主役の子なんだけど、醸し出す不思議な雰囲気がこの映画のふわふわした感じにピッタリ。
いつまでも夢の中の『ジェームス・ディーン』を気取ったキット、対して危険な香りがする男に初めて恋をした15歳の少女が、ちゃんと目を覚ます瞬間がこの旅の終着点を教えてくれる。
詩的なロードムービーは古い映画ならではの旅情がたっぷりで、オールドムービーファンなら絶対オススメ!
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この記事へのコメント
セレンディピティ
この映画、この週末から公開されているのですね。
知らなかった! おもしろそう!
えっ?キャリーの子役?と一瞬混乱しましたが、こちらは1973年の映画で、当時は日本では公開されなかったということですね。
アメリカの大自然の風景、ちょっとセピアな映像にも惹かれます。
刹那的なストーリーは、まさに「ボニー&クライド」アメリカン・ニュー・シネマの世界ですね。
ノルウェーまだ~む
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あ、判り難くてゴメンナサイ~
そうなの、キャリーの主役をやった女の子が当時この映画も主役をやったのだけど、日本では公開が無かったらしいわ。
人を何のためらいもなくバンバン撃つので、そりゃ公開できないでしょうね~といった印象です(笑)
そのくせ「地獄の逃避行」という邦題でTV放送したらしいけどww
凄く詩情たっぷりだし、拳銃で撃っても当時の映画だけに血も出ないので安心して見られますよ~☆
瞳
マリック監督の作品は「シンレッドライン」と「ツリー・オブ・ライフ」しか見たことがないのですが、本作がデビュー作品だったのね。
当時未公開だったとは!!
マーティン・シーンとシシー・スペイセク!!懐かしい~。
確かにボニー&クライドみたい。
でも少女の方は目を覚ます・・っていうところが違いますね~!!観てみたいわ。
ノルウェーまだ~む
>
実は私も「ツリーオブライフ」しか観てなくて、しかもかなり眠気との戦いだった記憶ww
ただ「アメイジンググレイス」とか見ようと思ってまだ未見の作品がいくつかあるので、近いうちに見てみようと思ってるの。
そうそう、この『ただ憧れてジェームスディーンっぽいイケメンに着いて行っちゃった少女が冷静になる瞬間』が見事なのよ~
いつか是非見てね☆
真紅
私、この映画DVD持ってるんですけど観てなくて(汗)
今回上映されて初めて観ました。でも映画館で観られてよかった~と思いました!
アメリカでしか撮れないロードムービーでしたね。
半世紀以上の時を越えて本邦初公開、素晴らしいですね!
ノルウェーまだ~む
>
な・なんと!?DVDをお持ちとは!?
それでも劇場でご覧になったのね?やっぱりこの映像は大画面で観ないとですよね~
あの雄大なアメリカの大地に沈む美しい夕陽が美し過ぎて、なんとも誌的で夢が広がっている錯覚が起きてもおかしくないな~って思いました。
こういった作品を掘り起こしてくれた映画関係者に感謝ですね☆