「ほかげ」 (2023年)
ほかげ [ 塚本晋也 ] - 楽天ブックス
戦争直後。焼け残った居酒屋で身体を売って何とか生き延びて来た女(趣里)は、度々盗みに入る少年と紹介でやって来た復員兵と束の間の疑似家族となって小さな幸せを見つける。
PTSDから夜中に暴れ出した男を持っていた拳銃で追い出した少年は、真っ当な仕事を見つけると約束したにもかかわらず怪しい男に雇われ付いていく。女は…
公開当時評判が良かったのでいつか見ようと思っていた作品。
第1部は趣里の独断場で、ボロい居酒屋内のワンシチュエーション。汚しがあまりに凄くて思わずホラーだったっけ?もしかしたら登場している3人とも幽霊?と過去塚本作品を思い起こすと勘違いしちゃうくらい。
第2部で少年が外へ出ると森山未來の世界。戦争が終わっても尚苦しむ復員兵の恨みを晴らすターンになっている。
第3部でも塚本作品らしいグロさは一切無いが、「野火」で描いた『戦争の虚しさと終らない地獄』が余すところなく描かれる。
何しろ「汗じっとり」だけで戦後直後である事を表現する本作、95分と短くても予算が少なくても、瓦礫の町や闇市の本物っぽさは他に引けを取らない。良い目をしている少年の演技を含め秀作!
「悪い夏」 (2025年) 公式HP
今年公開の映画が早くもアマプラに登場!
悪い夏 通常版DVD [ 北村匠海 ] - 楽天ブックス
市役所で真面目に働くケースワーカーの佐々木(北村匠海)は、同僚と共に担当の生活保護受給者に肉体関係を迫る高野の件で、シングルマザーの愛美(河合優実)の家へ調査に赴いた。そんな愛美が反社の金本(窪田正孝)と繋がって不正受給ビジネスに加担しているとは知らず、次第に彼女に惹かれていく佐々木は…
ヤッバ~!大真面目な社会派映画として充分通用する話なのに何ともカオス!次々と人が訪ねて来る嵐の夜のバトルはもう笑うしかないww
反社のボスに窪田正孝、手下に竹原ピストル、浮気男に毎熊克哉、やさぐれシングルマザーに河合優実、貧困母子に木南晴夏と適材適所のキャスティングが見事☆
それにしても当たり前のように不正受給をする奴らの陰で、電気も水も止められて自殺未遂をする本当に困窮した母子の姿は痛ましい。ラスト笑顔で買い物している母子が本当にチラリという演出も含め大変秀逸。
この記事へのコメント
ふじき78
怖い。濃密さが怖い。こういうのが嘘とは思えず、ゴロゴロあったような話だったと思えるのがとても怖い。私も塚本晋也も戦中も直後の戦後も体験してないが、本当の話にしか見えない美術も凄い。
latifa
ほかげだけ見てます。
趣里さん、何か個性のある役者さんよね。
ただ、なんか芸能ネタで申し訳ないけど、最近色々プライベートであるみたいで・・・ご両親も心配されているよね、きっと。
森山君のエピソードもあって、1本の映画の中に色々な要素がありましたね。
悪い夏は、見ようと楽しみにしているところ。そのうち見たら、お邪魔しますね。
ノルウェーまだ~む
>
そうなんですよ、全く仰る通り!
まるであり得ないホラー映画の世界観で描いているのに、確実に現実に有った話に違いないんですよね。
近年様々な戦争を描きながら、どうにもセット感が否めないドラマや映画、胸キュンものが多い中で一線を画すリアルが見事でした。
目に見えるグロさを描かなくとも、充分に戦争の恐ろしさが伝わってきましたよね。
ノルウェーまだ~む
>
え~⁉芸能ネタ全く知らなかったわ~
良い映画やドラマに沢山出ている実力派女優の趣里ちゃんだけに、変なところに引っかかって欲しくないね…
「悪い夏」の感想も楽しみにしてます~!
angie17
本当にキャスティングが素晴らしかったですね!
そんなに登場しない木南晴夏も、すごく上手かった。
脇を固める演者が上手いと、映画って最後まで見られますよね。
それにしても、こういう悪い奴らって本当に居るんだろうなぁ。
ノルウェーまだ~む
>
予告編では「悪とクズしか出てこない」ってなってるんだけど、木南晴夏の貧困母子家庭は致し方ないというか…万引きはダメはダメなんだけどクズ呼ばわりは可哀そうだなって思っちゃいました。
悪い奴は実際居る…という恐ろしい話をうまくエンタメに仕立ててあって、なかなか良かったですよね☆
ここなつ
すごくインパクトの強い作品でしたよね。
本当、おっしゃる通り真摯に向き合っていたと思います。
戦争の悲劇ってこういう描き方でもよく伝わりますよね。
ノルウェーまだ~む
>
そこ!何も手足が吹っ飛んだり、恋人が特攻に行ったりしなくても悲劇は悲劇でちゃんと伝わっていたと思いません?
「終わらない苦しみ」もしっかり描かれてましたよね。
それは戦争だけでなく、どんなPTSDにも言える事だと思いました。
ここなつ
「悪い夏」弊記事アップしたので、遅れてコメントさせてください。
そうそう!おっしゃる通り、カオスなんですよねー。そこがドタバタにならないのが(最後の方は少しドタバタ気味だったけど)凄いなーと思いました。上手い構成でしたよね。
ラストの北村匠海は責任を取ったのか、本当に愛してしまったのか、まだ〜むさんはどちらだと思いますか?
こんばんは
この年は、「ゴジラー1.0」「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」そして本作と、同じモチーフを異なる視点で描いた作品が連続したのも面白い現象でした。
今年は「野火」のアンコール上映があるそうなので、楽しみです。
ノルウェーまだ~む
>
私はね~本当に愛したんだと思いますよ、彼、本来真面目クンだから…
そうそう、ドタバタ気味のコメディ路線をギリ回避して、深刻なのに深刻過ぎない、そこはかとなく可笑しいっていうのが絶妙だと思いましたよ。
本来コメディってこういうものだと思うの。笑わそうとして変な事言ったりやったり、オモシロ顔やおふざけをする手のコメディ苦手なので、このギリギリ笑える~感じ気に入ってます♬
ノルウェーまだ~む
>
どなたかな?と思ったらノラネコさんでしたか…
戦後80年ですものね。「野火」はよくぞアンコール上映してくれた!って感じです。
確かに仰る通り「野火」の続編とも言うべき作品でしたね。
独特の世界観で、彼ならではのアプローチが見事でした。
latifa
再度お邪魔します。
悪い夏、見ましたよー!
ラストの方のドタバタにびっくり。
もっと暗くて悲惨な内容かと思い込んで見ていたので、意外と後味悪くなかったし、闇落ちっていうレベルが、そこまで酷くなかったわ。
でもおっしゃる通り、キャスティングばっちりで、面白く見ました。
https://latifaa.hatenablog.com/entry/2025/08/20/074328
ノルウェーまだ~む
>
うんうん、貧困家庭の人たちが描かれていて、もっと重たくてそしてムカつくような悪さなのかと思ったら、案外そうでもなくて、ちょっとしたコメディテイストも手伝って面白い作品だったよね。
キャスティング最高でした!