彼女が24歳で命を閉じるまでに出演した映画をもっと見たくなったのだ。
「冬の小鳥」 2009年 韓国・フランス

冬の小鳥(字幕版) - ウニー・ルコント, ウニー・ルコント, キム・セロン, パク・ドヨン, コ・アソン, パク・ミョンシン, ソル・ギョング
新しい洋服と靴を買って貰って大喜びのジニ(キム・セロン)は、父に連れられてきた孤児院に置き去りにされる。父が迎えに来ると信じて修道院の世話係にも反発し続けるのだが、少しずつ養子として貰われていく仲間を見て、次第に運命を受け入れ…
新しい妻とベビーが来たから自分の娘を孤児院に捨てちゃうって!とのっけからビックリ。貧しくて育てられないとか事情があっての事と思い込んでいたけど、ネグレクトや虐待の挙句というのよりまだマシなのかな…
顔が一瞬しか映らない父を、あの「ペパーミントキャンディー」のソル・ギョングが演じている。
繊細で賢いがためにより辛さが募るジニが、養子に貰われる事が最善であると自らを納得させていく姿が静かに描かれ胸が痛む。
ちなみにこの映画のウニー・ルコント監督が養子としてフランスに渡った幼少期を描いているのだそう。
ずっと静かで寝そうなくらいなのに、ラストの集合写真のシーンで急に涙決壊。
「私の少女」 (2015年)

私の少女(字幕版) - チョン・ジュリ, チョン・ジュリ, ペ・ドゥナ, キム・セロン, チャン・ヒジン, ソン・ゼヒョク, コンミョン
懲戒で地方の小さな漁師町へ飛ばされたエリート警官のヨンナム(ペ・ドゥナ)は、父からも祖母からも同級生からも虐待を受ける少女ドヒ(キム・セロン)と出会う。
自分についてくる少女を救おうと夏休みの間だけ自宅へ住まわせるが、懲戒の理由が同性愛者だったことが町の人に知れ…
少し成長して13歳のキム・セロン。ひょろりと細くか弱い感じが薄幸な少女にピッタリ。ただボサボサで泥まみれな状態から、ちゃんと髪を結って可愛いワンピースを着ると途端にスターの片鱗が見え隠れする。
偏見にまみれた韓国で、助けたい少女を正しく助けられそうにない展開は余りに可哀そうでキーっとなる。ただ実は少女ながら策士であったことを匂わせたラストで、ヨンナムがどのような気持ちで連れて行く決意をしたのか少し判りにくい。
生きにくい社会で酒に頼っている自分にとって、己の力で道を切り開かんとする少女ドヒがある意味救いだったのかな…?
この記事へのコメント
JUNKO
latifa
わー!キム・セロンちゃんの映画2本ね。
懐かしい映画を思い出させてもらえる機会をもらえて嬉しいです。
やっぱり演技上手な少女でしたね・・・。
あーあ、、、惜しいというか、悲しいな。。。
2本ともそれぞれ彼女に合う役でしたね。
子役ってやっぱり小さいころから大人の世界で生きていて、ちやほやされる反面、いろいろ厳しいね・・・
私の感想、リンク先のせておきますね
https://latifaa.hatenablog.com/entry/2010/09/01/161351
https://latifaa.hatenablog.com/entry/2017/07/10/170619
ふじき78
2011年だから14年前。もう、覚えてないけどキッツイ話だった事だけは分かる。やっぱり子供がいじめられる映画はキツい。
ノルウェーまだ~む
>
本当ですね…素晴らしい女優さんだっただけに、享年24歳、惜しい宝を亡くしました。
ノルウェーまだ~む
>
実はもう1本日本兵の慰安婦の役をする「雪道」も見たかったんだけど、このところ仕事が続いてて時間取れなくて…
どの映画も見事に薄幸の少女の役ばかりで、彼女の運命を考えるとより一層哀しくなるよね。
リンク有難う~伺います!
ノルウェーまだ~む
>
「いじめられる」という点では「私の少女」のほうがガッツリやられます。
しかも同級生だけでなく、親からも祖母からも…辛すぎ~!
ふじき78
何故、そんなキム・セロン受難二本立てなのかって、そういう役者だからなあ。この「私の少女」の監督の次作「あしたの少女」も心を抉るような話なんですよ。キム・セロンはいろいろ出てるけど、日本で最後に公開された映画は「守護教師」で、マ・ドンソクと楽しく捜査するJKで可哀そうな役じゃなくってよかったです。
ノルウェーまだ~む
>
ほんと、キム・セロンは受難ものが多くて、本当は「雪道」も見ようとしてて受難3本立てになるところだったけど、慰安婦ものなのでさすがに辛すぎて断念しました。
マ・ドンソク祭りもしたから「守護教師」も見ればよかったな~
Take-zee
韓国の人々は肌が綺麗ですね 😀
ノルウェーまだ~む
>
本当にそうですね~
あやかりたいデス☆
セレンディピティ
韓国映画はほとんど見たことがないのですが
この「冬の小鳥」は見ています。
韓国映画というと結構派手で過激なイメージがあったのですが
この作品は、静かで胸がしめつけられる作品でしたね。
映像のはかない美しさが心に残っています。
監督にとっては幼少期の哀しい記憶ではあるのでしょうが
その後はきっと、愛によって満たされた人生だったのではないかと想像しています。
ノルウェーまだ~む
>
セレンさんも「冬の小鳥」ご覧になってるのね♬そうそう、仰る通り~!映像の儚い美しさはずっと心に残ってます。
監督の辛い幼少期とその後の幸せが、この映画を生み出したとするとまた感慨深いものがあるよね☆
韓国映画の凄い所は、エンタメに振り切って胸きゅぅううう~ん物か、グロさMax!な物もあれば、この作品のように静かに深く美しい作品も多いってことなんですよね。
その点で、大人の事情で人気アイドルを使って集客を狙う映画ばかりの邦画に比べたら成熟しているな~って思っちゃう☆