「アカデミー賞」獲るほど?という評判が多く聞かれていた本作。私はベガスを離れるシーンから何だか涙が滲んで…
「ANORAアノーラ」 2024年アカデミー賞作品賞 アメリカ
ストリップダンサーと風俗で生計を立てているアノーラは、ある日富豪ロシア人の御曹司を拙いロシア語で相手することになった。1週間の専属契約を得た彼女は、彼の派手な遊びに同行しその最終日にプロポーズされる。しかし翌日、ロシア人の世話係とボディーガードが結婚を破棄するためやってきて…
すらりと長く美しい四肢と見事なテクニックで男性へサービスするアノーラのプロ意識に脱帽。凄い金を積まれて専属契約を申し込まれても、まずシフトを気にするあたり、そか…仕事だものね?と当たり前の事なのに感心しちゃった。
風俗業を生業としている人はだらしないとかいい加減とか思っている時点で、ちょっと下に見ている自分に気付いて大いに反省。
明らかダメなボンボンなのは目に見えているし、この映画の内容も概ね知っているだけにアノーラ騙されないで~!って思っちゃうけど、そんな事でめげない強さで、ボディーガード他屈強な男たちを翻弄する辺りから大笑い。彼女がぎゃんぎゃん騒ぐのも、あんな大男たちが家に乗り込んで来たら身の危険を感じて抵抗して当たり前なのよね…実際一番いい人だったイゴールを見て、仲間のトロスにがアノーラを襲っていると勘違いするくらいだし。
逃げた御曹司を探して右往左往する時に、マフラーを差し出すシーンは大爆笑。その辺りから少しずつモブと思われていたイゴールの存在感が増していく。
『男なんて女性を性処理の対象物としか見ていない』と思い込んでいたアノーラが、ロシアの大富豪たちが唯一持っていない人の心をイゴールだけは持っている事に気付いて、初めて彼に『心をゆだねる』ラストシーンからの無音のエンドロールは涙が溢れて止まらない…
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この記事へのコメント
Take-zee
どういうわけか映画を見ることが少なくて
コメントに困ってしまっています (>_<)
ふじき78
> ロシアの大富豪たちが唯一持っていない人の心をイゴールだけは持っている事に気付いて、初めて彼に『心をゆだねる』ラストシーンからの無音のエンドロールは涙が溢れて止まらない…
なるほど、これはいいわ。
angie17
ラストシーンの描写が素敵だから、今晩、見る!!(笑)
JUNKO
瞳
アノーラのプロ意識!そうでしたね。
だからこそ、最後にイゴールの優しさにもそれで返そうとしたけれど・・・初めて体じゃない心、優しさに触れて・・、
あの静かなラストシーンが良かったですね。
中盤の男たちを翻弄する猛獣のようなアニーも結構好き~(笑)
マフラーのシーンも面白かったわ。
ノルウェーまだ~む
>
わざわざコメントありがとうございます。ご無理のない程度に、気になる記事があったらコメントお寄せいただければ大丈夫ですよ~
ノルウェーまだ~む
>
アノーラは自分の仕事に誇りを持っているけど、やっぱり娼婦とか蔑まれる事が多いから、精一杯虚勢を張っていたんでしょうね。
女の子としての本音を出せずにいる彼女が、初めてイゴールの前で泣くラストは、今までぎゃんぎゃん騒いでいた彼女は実は仮の姿だったと判って思わず泣いちゃったんです。
ノルウェーまだ~む
>
凄く素敵かというと、人によって違うかもなので…
私は「アカデミー賞ほどではないじゃん」という声が多かったので、逆に良かった点を発見できたので、凄く良い🎵と期待するとどうかな~?
是非また感想聞かせてくださいね☆
ノルウェーまだ~む
>
そうなんです。作品賞だから~~と期待しちゃうと他の皆様の様に、それほどでもないぞ…ってなりそう。
かくいう私も途中までは、「確かにそこまで良い作品ではない?」という気持ちで見ていたのですが、ラストでガツンとやられました。
見る時はお独りで是非!
ノルウェーまだ~む
>
イゴールが用心棒だから仕方なく縛り上げてたけど、どんなに罵倒されても静かに寡黙にいて、なのにちゃんとアノーラを人として見てくれて、そっと気遣ってくれている…それが垣間見られるあたりから、私ずっとうるうるしちゃってました。
私の『イケメンは人として欠陥があり、見た目がゴリゴリな人の方が心が優しい』という方程式がきちんと証明された映画でした(笑)
猛獣アニーとマフラー最高~!
latifa
なかなか良かったみたいですね^^
>プロ意識に脱帽。 ~まずシフトを気にするあたり、そか…仕事だものね?と当たり前の事なのに感心しちゃった。風俗業を生業としている人はだらしないとか~
ここ。私も同じ風に感じていたわー。
凄くプロ意識高くて、しっかり働いていましたよね。
昔、販売の仕事をしていた時、常連のお客様に当時でいうトル〇の方達がいたの。それまで勝手な思い込みをしちゃっていたんだけど、ちゃんとしているんだなーと思った事があったわ。
https://latifaa.hatenablog.com/entry/2025/03/03/104444
angie17
昨夜、この映画を見ました。
私も、賞を取るほどではないと思ったけど、
じゃあこの映画を『賞を取るに相応しく作り直せるか』というと、
難しいんだろうな~と思う。
ラストシーンはねぇ、大人と若者では意見(感想)が割れそうかも。
margot2005
>風俗業を生業としている人はだらしないとかいい加減とか思っている時点で...
監督がsexワーカーを生業としている人々に対して理解を示すコメントをしていたような記事を見たことがありました。
イゴール役のユーリー・ボリソフは「コンパートメント No.6」がカンヌのグランプリに輝いたこともあってのハリウッドデビューでしょうか?人の心を持つイゴール役ナイスでした。
マイキーはスゴすぎ。
ノルウェーまだ~む
>
うんうん、映画に登場するアノーラも自分の仕事に自信を持って働いていたものね。
昔からの風俗のイメージの売り飛ばされて云々みたいな事は微塵もないかんじがして、(勿論そういう方も多いのでしょうけど)むしろ謳歌しているようにも見えたわ。
とはいえ金持ちを見付けてその環境から脱したいというのが本音でもあるよね。
下の記事の削除、了解です~~!
ノルウェーまだ~む
>
そうそう、これは俳句の夏木先生みたいに「いじったらおかしくなっちゃうから直しは無いです」のヤツですね。
えー!?ラストは若者だとぐっと来ないのかしら…?むむむ…
それは全く想定してなかったです~~
ノルウェーまだ~む
>
実は「コンパートメント~」は未見なので、このイゴール役の彼を初めて見たんです。カンヌのグランプリならかなり良さそうですね?
今度見て見ようかな…
この作品を見ると監督の「人としての優しさ」を十分感じられますね。そういった強いメッセージと意思が込められているという部分で、作品賞も納得出来ました。
ごみつ
今回のアカデミー賞、録画してあるのですが、まだ見てなくて、この作品が作品賞をとっら映画だってはじめて知りました。これ、劇場公開されたのかな?
何だか最近の多様性ごり押しハリウッドにはうんざりしてるのですが、この作品はなかなか良さそうですね。
テーマはどうであれ、作品さえ素晴らしければ、人の心がきちんと描かれていさえすれば大歓迎です。
近いうちに是非見たいな~。o(^o^)o
ノルウェーまだ~む
>
劇場公開されてましたよ~
そうだなぁ~多様性という点では、バリバリごり押しな作品と思いますよ。
でも心無き人種VS心ある人で、なかなかのバトルが楽しかったのでオススメ!ごみつさんだと…面白がってもらえ・・・るかな?
セレンディピティ
本作ようやくアマプラで見ました!
「フロリダ・プロジェクト」(大好きです)の監督さんらしい作品だな~
と思いながら見ました。
決して登場人物たちには共感できないのだけれど、
心がぎゅっと締め付けられます。
イゴール、よかったですよね。
ノラネコ
悲しいけど大笑い。
喜怒哀楽全てを揺さぶられた、これぞ娯楽映画という快作でした。
今年のアカデミー賞のラインナップを見ると、結局これが勝利したのも分かる気がします。
ノルウェーまだ~む
>
イゴール良い奴でしたね~~
こういう強面で強いのに実は優しい人って最高~!まあ、ジャイアン効果でもあるけど(笑)
確かに「フロリダプロジェクト」らしさがありますね。登場人物たちは、みな一癖あって誰にも共感できないのよね、ホント。なのに何故か胸を打たれる瞬間があって、それがこの映画の凄い所なのだと思いました。
ノルウェーまだ~む
>
確かにそうかもしれませんね。
映画は基本エンタメなのだから、喜怒哀楽全てを満たして更に意外な感動を呼ぶ本作は、実は凄い映画なのだと見終わって納得でした☆
ボー
主人公の仕事がダメなのではないのは表明しておきます。(かえって、気のいい娼婦なんてのは好物。)
ノルウェーまだ~む
>
この映画は感情移入はどのキャラにもしにくいんだけど、アノーラが最後だけ素に戻って普通の女の子になって初めてぐっと感情移入できちゃったんですよね。ビビッとね☆
ここなつ
まだ〜むさんには響いたのね。私は多分アカデミー賞でなければもっと面白く観られたような気がしています。そんな私こそが権威主義者なのかもしれませんが。
彼女はミンクのコートより何より愛が欲しかったのかも…
ノルウェーまだ~む
>
そそ、本当は普通の女の子なんだけど、世の中から蔑まれないように虚勢を張って、その辛辣な罵声に対するアーマーがミンクなんだな~って思うのでした。
私は逆に「この映画がアカデミー賞?」って言う声をよく耳にしてから見たのが良かったのかも。
近年そういった作品が選ばれるっぽいよね☆