「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」 公式サイト (2025年)
2003年。小学4年の担任教師薮下(綾野剛)が、児童・氷室拓翔の家庭訪問の3週間後、身に覚えのない生徒への体罰と家庭訪問での差別発言で告発される。学校側はとりあえず父兄への謝罪を行うが、両親がマスコミへも持ち込んだことで週刊誌に取り上げられ…
始まりは「母氷室律子(柴咲コウ)の言い分」から。それを見る限り綾野剛演じる教師があまりに酷い。だた特定の児童に対して血が出る程の体罰を与える理由がどこにも見当たらない。
近年の『運動部の指導者による行き過ぎた体罰』という報道も、生徒たちが実際のところ指導に従わず、何度も叱っても言う事を聞かないから遂に…な部分が多いと思われるわけで、この映画でも多動の症状を有すると思われる生徒は先生の言う事を聞かない様子。母に叱られて先生のせいや友達のせいにしたりと嘘を付く子も確かに居る。昔からえこ贔屓する先生は居たし、今なんて生徒を盗撮するような教師が実際に居る訳で色々に判断は難しい。
一方「薮下教諭の言い分」のターンになると何とも気の毒で仕方ない。これでは先生になりたがる人が減る訳よね。
実際、息子が小学生の時も「漢字ドリルの宿題の出し方がなってない」くらいで学校を飛び越えて教育委員会に訴えていくモンスターペアレンツが居たっけ。

でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―(新潮文庫) - 福田 ますみ
個人的な話だけど私は昨年1年間3ヵ所でコールセンターの仕事をしてて毎回必ず数人のモンスターに出くわした。そういう人は物凄く理不尽な事を言ってくるのだけど、鉄則は「謝ってはいけない」「同意してはいけない」「寄り添ってあげて言い負かさない」
大概は冷静に真っ当な事を言うと「ぎゃふん!」となるのだけど、言い負かされたと思うと逆上してもっと強い言葉で返してくるので、気持ちに寄り添う事が大切なのだ。
この映画の親は虚言壁がある上に、子供を守ろうとしてより攻撃的になっているのが見て取れる。先のコールセンターでも1つは教育関係だったのだけど、私は「母(父)クマが子供を守ろうとして人間を引っ掻いてくる」と思うようにしていた。人間が「かわい~♬って見ていただけなんです。」と言い訳を聞く前に親クマは引っ掻いてくるのだから。
亀梨クン演じる週刊誌の記者と対峙するシーンは、本当に嵐の日に撮影したら途中から物凄い暴風になって傘がぶっ飛んでいく良いシーンが撮れたのだとインタビューで言っていた。
この週刊誌報道にせよ、近年の映画に登場する全てのものの『悪の根源』は実際のところSNSなのだ。何も関係のない人たちがこぞって調べもせず確認もせず『悪い奴」と決めつけた相手を総攻撃する。
虚言壁があって有る事無い事で教師を追い詰め裁判迄するモンスターペアレンツはともかく、自分たちは見えない場所からたった1人を攻撃するいじめをするべきではない。
余談だけれど虚言壁のある人を今まで2人くらい知っている。どうにも嘘と判るような事をまことしやかに話していたっけ。そういう人の子供も嘘を平気で付く場合が多く、凄いエピソードを語って他人の気を引こうとしている様だった。
ただその癖のベースにあるものが映画の氷室律子の生い立ちの様な事であったとしたら、その人も本当は可哀相な人なのかもしれない。
この記事へのコメント
angie17
本としては良く書かれているし、それは評価出来るのですが、
実際に起こった事件を元にしていると思うと、
息が詰まるような思いで読みました。
映画の方が【画の力】がある分、もっとリアルに感じそうですね。
上手い役者さん揃いなので余計に・・。
JUNKO
ふじき78
ノルウェーまだ~む
>
そうなんですよ~
律子の言い分の時の教師は実に憎々しげに、薮下先生の言い分の時は肩を落としてオロオロと、10年後にすっかり精彩を欠いて疲れ切った姿まで演じて、改めて綾野剛の演技力に感服しました。
原作読まれたんですね…私はもう胸が苦しくて読める気がしません。
ノルウェーまだ~む
>
結果としては主張が認められたので、後味は悪くないのですが、事実を基にしているのでスカッとはしないんです。
ノルウェーまだ~む
>
彼女はフランスの映画にもフランス語で出演してるし、とにかく素晴らしい役者さんですよね。
今作の迫力たるや!
latifa
この映画はキツかったですね・・・。
この記事、凄くしみじみと読ませてもらいましたよ!
いやーほんと、うなずく処一杯あったわ。
まだ~むさん海外やら、あちこち色々な経験をされて生きて来ているから、人間交流の経験も色々な人との出会いから学んだ事も、人一倍あったわけで
とても共感、なるほどーって思う内容でした☆
ノルウェーまだ~む
>
なんか映画の内容と関係ないような事ばかり書いてしまって…そんな風に言って頂けて恐縮だわ。でも戦争物や猟奇殺人物のような掛け離れた話に比べて、ぐっと身近すぎてかなりキツかったの。
以前latifaさんがご紹介されてた「エデン楽園の果て」もそうなんだけど、真面目な人が無神経な人に散々な目に遭うような話がとにかく苦手なのよね~
主人公は最終的には望みが叶ったけど、人生をかなり狂わされて気の毒だったと思うわ。
Take-zee
若いつもりでいますが・・・
最近は年を感じます、TVドラマも映画も知ってる
俳優さんがいないんです😂
ノルウェーまだ~む
>
私も最近の若いアイドルなんかは全く判らないです。
基本的に俳優さんの名前が判らなくても、良い作品は素晴らしいです。
ここなつ
本当に怖い作品でした。
柴咲コウが怖いのは大前提として、虚偽を庇ってくれない学校関係者も怖かったです。企業の論理と言ってしまえばそれまでなのかもしれないけど、学校という教育的立場の人々ならどうにかならなかったのでしょうか…
虚言癖のご知人…ご存知なんですね?
どんな手を使っても、自分に目を向けさせたい、そういう事なのかしら?自己顕示欲のなれの果て?
身近にいるのって嫌ですよねぇ…
ノルウェーまだ~む
>
そうなんです!学校の現場も怖かったですよね~?
学校って私立だと一般企業の経営の様な部分もあって、生徒がお客様になっているのは理解出来なくもないけど、公立小学校でこういうことが起きるのは本当に酷いと思いましたよ。
割と過去には学校側や教師、校長の成績の為にいじめを封印するような所もあったの思い出しました。
虚言壁の人は身近ではなくて既にお付き合いは無いからいいんだけど、普通の人と思って話してみたらトンデモナイ事言い出すな~って。1人は自分が超有名俳優の娘で、かつて「大五郎」として子役をしていたと話すの。女の子で大五郎をやってた人っていないでしょう~?もう一発で嘘と分かるのに何故そんな事言うのか謎だったわ☆嘘を付くから人が離れていくのに、気を引くために更に大げさな話題をするんだろうなって思ったわ。