「灼熱の魂」 (2010年)カナダ・フランス アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品

灼熱の魂 - ドゥニ・ヴィルヌーヴ, ドゥニ・ヴィルヌーヴ, ルブナ・アザバル, メリッサ・デゾルモー=プーラン, マキシム・ゴーデット, レミー・ジラール
公開当時「まだ~むの好きそうな映画だよ。」と教えて貰っていたのになかなか見られずに今に至っていたけど、これはマジで素晴らしい!こういう映画を見たかったんだった!
アラブ系女子大生ジャンヌと双子の弟シモンは、母の急死により衝撃的な遺言書を受け取る。そこには父と兄を探して同封の封書を渡すまでは墓石を立ててはいけないと書いてあった。母ナワルの故郷の中東の村を訪ねるとキリスト教徒の村人たちから追い返される。次第に母の苛酷な人生が明らかになっていき…
母の故郷は一面岩と低木だけの乾いた大地が続き、あちこち破壊し尽くされていて何とも痛ましい。こんなに住み難そうな乾いた大地でやっと生きている人同士、何故いつまでも戦うのか?何故宗教が違うだけで一網打尽にされなくてはいけないのか?
途中、若き頃の母と娘のジャンヌのエピソードが交互に描かれるので、見分け付かなくなって現在なのか35年前なのか混乱する。これはあえて…?それ程までにいつまでたっても古い因習に囚われ争いが無くならない事が示唆されているのかも。
好きなジャンルとはいえ、お終いの方まで方向性が見えなかった私が最後の最後に辿り着いた結末に、母ナワルが真相を知った時と同じリアクションを取る私。胸がえぐられ言葉を失う真実は、あの地域ではあながち絵空事ではないのかもしれない・・・
「聖なるイチジクの種」 (2025年)ドイツ・フランス・イラン カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞

聖なるイチジクの種(字幕/吹替) - モハマド・ラスロフ, ソヘイラ・ゴレスターニ, ミシャク・ザラ, マフサ・ロスタミ, セターレ・マレキ, ミシャク・ザラ
テヘランで20年の仕事ぶりが評価され予備判事として昇進が決まったイマンは、同時に身を護る為に銃が支給される。昇進を喜ぶ妻は夫に付き従う古いタイプの良妻で娘たちの躾は厳しかったが、長女にデモに参加するような友達がいる事を憂慮していた。
そんなある日家の中で銃が紛失し、犯人捜しで家族は疑心暗鬼になっていって…
娘たちが携帯で見ているSNSは、2022年9月クルド系女性のマフサ・ミアニさんが、ヒジャブを適切に付けていなかったとして道徳警察に逮捕されその後死亡した事件から起きたデモで、多くの学生が警察に暴行される実際の映像。
劇中でも20歳の青年が道徳警察による逮捕尋問の末死刑を求刑され、その書類に盲判を押さなければいけない自分の仕事に抵抗があったイマンだったのに、日に200以上の書類に判を押す日々に忙殺されどんどん体制側に傾いていく。
どちらにせよ政府側の人間なので仕方ないのだけど、「男の威厳と『神』の名における法の順守」に囚われ、愛していた家族までもその権力で抑え込もうとしていく狂気が描かれる。
ただイマンだって仕事で支給された銃を失くしたら(イランでなくても)処罰を受けるんだから必死になるのも解らないでもないし(この国では禁固3年らしい)、何故銃を早く返さないのか?歯がゆい気持ちでいっぱいになる。なんともドキュメンタリーのようで途中まで全く方向性が判らないのだけど、誰が犯人か?とかそういった事を描くサスペンスではそもそも無い。
こんなにまじめな映画なのにもしかしたらコメディだったの?と思うくらい、最後はイランの遺跡で延々と追いかけっこ。この国の闇を表すような遺跡の中の暗さと影一つない外の眩しさの対比が強烈で、あまりに不毛な結末に言葉も無い。
それにしてもヒジャブを付けてないとか、そんな訳わからない理由で死刑になるなんて!
この記事へのコメント
latifa
これはまた重いやつを2本ご覧になったのね。
私も両方見ていますが、灼熱の方はだいぶ前だから最初の方は忘れてたわ(母のところは覚えてる!でも双子の子供が・・・は忘れてた)
これはずっと忘れないショッキングな映画ですね・・・
https://latifaa.hatenablog.com/entry/2013/05/21/110425
イチジク
これは最近のなので覚えてます!
そうなのよ、最後の方、あれ?って思う内容だったな。
いやー こういう処(国)で暮らすのって大変だわ・・・。
https://latifaa.hatenablog.com/entry/2025/06/08/083837
足の方順調に回復されて良かった☆
無理しないでね。
ノルウェーまだ~む
>
リンク貼ってくださってありがとう~直ぐに伺うね♬
そうなのよ~パパの大相撲が終わったから、午後の映画タイムできたし、ゆっくり見られる~と思って重たいものを選んじゃったww
「灼熱~」は「オールドボーイ」並みにショッキングだったよね…
映画的に重いというより、もうあの国自体があまりに重苦しく閉塞感が半端ないよねぇ…
JUNKO
ノルウェーまだ~む
>
なんと!「灼熱の魂」ご覧になられたのですね?仰る通りショッキングな結末は多分一生忘れないでしょう。
このような過酷な経験をせずに生きていける日本に生まれた事を感謝して生きなくてはいけないですね。
母も重い映画どころか、ライオンが捕食したり毛虫が葉っぱを食べるネイチャー番組ですら見ないんですよ。
Take-zee
映画とは関係ないですがイチジクのタネって考えても
見たことないです。
台風6号が今日の午前中に最接近しますが、何事もなく
通り過ぎてほしいと願っています 😢
ノルウェーまだ~む
>
イチジクは食べるとぷちぷちしますよね。あの中に種があるそうですよ。イチジクは木に巻き付いて成長と共にその木を絞め殺すと映画の冒頭にクレジットが入りました。
ここなつ
「灼熱の魂」これは本当に衝撃的でかつ素晴らしい作品でした。
子供を産み育てた経験があると、この話はあまりにもショックですよね。だけど愛と痛みが感じられて、とにかくもうもう素晴らしかった!
私の生涯ベストな作品になるかもしれません。
瞳
普通に歩けるようになったんですね~、良かったです(*^^*)えっ、毎日ウォーキング!?すごい。そうそうでもはやくも暑いし、梅雨になると雨でまた歩けないんですよね。
「灼熱の魂」
コメントありがとうございました。
生涯見てきた映画で何が衝撃か?と聞かれるとこれなんじゃないかな~と思うくらいでしたよ。観終わった後、しばらくず~~っとその衝撃を引きずったなぁ。
「聖なるイチヂクの種」実は少し前に見たんですよ。感想はまだ書いてないんだけど、
>何故銃を早く返さないのか?歯がゆい気持ちでいっぱいになる。
もう一緒~~(>_<)
犯人はたぶん・・とわかっていたんだけどなぜあそこまで頑なに返さないのか理解できなくてイライラしちゃった。
最後はまるでシャイニングのようになっちゃって・・・ビックリでした。
ノルウェーまだ~む
>
うんうん!私も同感です。
一生で決して内容を忘れない映画って、本当に少ないけどいくつかありますよね。これは間違いなくその1本!
あまりにショッキングな結末だけど、どういった形で生まれてきたにせよ、子を愛する気持ちは宗教などとは無関係なんですよね…
ノルウェーまだ~む
>
有難うございます~私の身内以外みなさんにご心配頂いてて(笑)感謝しかないですwa
「灼熱の魂」は「オールドボーイ」に次ぐショッキング映画でしたね。これがあながち絵空事じゃないのかも…と思うと尚衝撃だわ。
「聖なる~」もご覧になってるのね⁉レビュー楽しみ~
私も犯人はそうかな…と思いつつ、その理由が判らなくて最後まで悶々としちゃった。
最後シャイニングか、はたまたコメディなのか??って思いましたよ~
ただイスラムに関わらず宗教戦争の愚かさと、延々終らない感じをあの追いかけっこで表したのかなって思いました。
ふじき78
福田雄一みたいなのばかり見てるので、もうこんな重い映画見れないです。